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あの頃に戻って……
第10章 旅立ち
その通り、本当に5分後くらいに3人が到着した。

玄関で、中へと案内した。

「突然、すみません。初めまして。優輝の母、光と申します。よろしくお願い致します。」

優輝くんのお母さんが私の両親に挨拶をする。

「初めまして。優輝の父、泰平と申します。孫の優大です。」

「ゆうです。」

「美都の父です。雅哉と申します。よろしくお願い致します。」

「美都の母、美里です。よろしくお願い致します。」

みんなが挨拶を交わして、子どもたちの保育園の件、一緒に住む件を話した。

でも私は、あの家は、優輝くんがご両親と暮らす為に建てたって言っていたのに、一緒に暮らさなくて良いのかしら?

そんな疑問を抱いていた。

思い切って、聞いてみようか?

「優大くん!一緒に遊ぼう?!」

咲良と良雅が誘いに来た。

「うん!」

3人で遊び始めた。

私は思い切って聞いてみることにした。

「優輝くん?」

「ん?」

「優輝くんの美容室兼自宅は、ご両親と暮らす為に建てたんでしょ?」

「あぁ。そうだよ。」

「今はご両親、どちらに住んでいらっしゃるの?」

「団地だよ。」

「そう。私は、一緒に暮らしても良いからね?」

私がそう言うと、優輝くんと優輝くんのご両親が、声を揃えて、

「え?」

と、聞き返した。

「美都?同居、良いの?」

「えぇ。」

「美都さん、本当に?」

何度も確認してくる。

「はい。お二人が良ければですが。」

そう答えると、

「ありがとう、美都さん!」

「こんな気立ての良い素敵な人と優輝が結婚だなんて、本当に嬉しい!美都さん!ありがとう。一緒に暮らしても良いなんて、なかなか言えないことだよ。本当にありがとう。」

優輝くんのお母さんが涙を溜めて伝えてくる。

「いえ、そんな…大したこと言ってません。」

思った以上の反応で驚いた。

「籍を入れられるようになる頃、団地も更新月になるから、その時、まだ同じ気持ちだったら、そうさせてもらうかもしれないよ。」

優輝くんのお父さんが言った。

「はい。」

優輝くんのお父さんは頭が良さそうな雰囲気だった。

お母さんのお店が大変な時にすごく支えてくれたんだって。

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