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あの頃に戻って……
第10章 旅立ち
それから小一時間して、優輝くんのご両親が帰った。

「そういえば今日は店が定休日だな。龍聖くん、休みだからいるんじゃないか?咲良のこと、話した方が良いんじゃないか?」

父さんに言われて、電話をすることにした。

「もしもし?美都です。DVD観ました。」

『そうか。すまんな。こんなことになって。』

「いえ。離婚するのは構いません。咲良に聞いてみたら、咲良は私と暮らしたいそうです。私も咲良も良雅も手離したくないです。咲良も良雅もちゃんと育てますので、私に引き取らせてください。」

『咲良がそう言ったのなら、キミに任せるよ。養育費はどれくらい必要?』

「それはあなたに任せます。離婚届は今日、提出しますがよろしいですか?」

『あ、あぁ。』

「今日はアパートにいますか?」

『いや……。』

「荷物を取りに行くので、済んだら連絡します。それまで留守にしていてください。」

『分かった。子どもたちにはもう…会えないかな?』

「そうですね。子どもたちが望めば私は会っても構いませんよ。あなたは私たちが出て行ったあともアパートに住むんですか?」

『あぁ。当分は。』

「そうですか。では、家電製品などはそのままお使いください。」

『分かった。ありがとう。……本当に申し訳ない。』

「今までお世話になりました。至らない妻で申し訳ありませんでした。お幸せになってください。」

『……ありがとう……』

そのあとも何か言っていたような気がしたが、私は電話を切った。




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