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あの頃に戻って……
第11章 日常
アイスティーと飴を持っていく。

「こんなに気が効くヒト、なかなかいないわ。」

なんて言われて、また嬉しくなる。

「オーナーも、こういう雰囲気持ってたのねー。」

そう話す田中さんの話に耳を傾ける。

「前は少し疲れてるのかな?っていう感じが見え隠れしたけど、今は元気いっぱい有り余ってるような感じね。幸せそう。」

そう言われて、優輝くんが、

「お陰さまで。」

そう答えた。

それだけなのに、私のおかげで幸せなんだよって言われた気がした。

1時間かけて、田中さんのセットが完了した。

ものすごくキレイで、記念にと、優輝くんと私と田中さんで写真を撮った。

式場からの送迎車に乗って、田中さんは式場に向かった。

その姿を一緒に見送る。

「美都、サンキュー。早く飯食おう!」

そう言って、カツサンドを二人で食べた。

「美都は、前、結婚式、したの?」

「ううん。優輝くんは?」

「俺も挙げてないよ。」

「そうなんだ。…タキシード、似合いそうだな、優輝くん。」

またあの雑誌を見て言う。

「美都もこういうやつ、似合いそう。」

そう言って、Aラインのドレスを指差した。

そのドレスは私がこの雑誌の中で一番気に入ったやつだった。

ますますドキドキする。

「私もこういうドレス、好き。」

そう答えると、

「2月……俺の誕生日に入籍して、3月……美都の誕生日に結婚式挙げよう?!」

と言った。

「良いの?」

喜びを曝発させたい。

「あぁ。」

嬉しくて、満面の笑みで答える。

頭をクシクシッて撫でてくれる。

胸がキューーンッ!

「ありがとう、優輝くん!大好き‼︎」

そう言って、ほっぺにチュッてした。

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