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あの頃に戻って……
第11章 日常
お昼をさっさと食べて、午後もみっちりお仕事!

仕事の合間に、

「一人だと大変じゃない?」

ふと疑問に感じたことを伝えた。

「まぁ、ね。でも、正直人を雇うほどの余裕はないからさ。」

結局、駿介くんは働いてなんかないしね。

略奪?ってわけではないけど、世間的にはそうよね。

「私、ネイリストとかエステティシャンとか、資格取ろうかな。」

「そういうの好きなの?」

「興味はあるよ。」

そこでまたお客様がいらしたので、話は一時中断。

カットして、シャンプーまで終えて、セットして、大満足のお客様。

二人で見送る。

「調理師は何でなろうと思ったの?」

話の続きをする。

「私が小4の時に、厚焼き玉子を父さんに作ったの。そしたら美味しい美味しいって一人で全部食べちゃって、すごく悲しくて、母さんに慰めてもらった時に、美都が作った玉子焼きが父さんをあんなに笑顔にしたんだよ。って言われて、そしたらすごく幸せな気持ちになったの。私が作った料理で誰かを笑顔に出来たらなーって思って…かな。」

「そっか。」

「でも、反面、一人でも生きていけるかなって。自分のためかな。」

「そうか。」

「だから今度は優輝くんの役に立つような資格も良いなって。」

そう言ったら優輝くんがすごく嬉しそうに笑いながら、

「ありがとう、美都‼︎」

そう言って、ギュッて抱きしめた。

「優輝くんの喜ぶ顔を見ていたいの。働きに出ても良いけど、優輝くんの働く姿を見ながら私に出来ることを近くでしたいなって…」

そう話すと、

「そうだね。俺も美都がいつも側に居てくれた方が嬉しいよ。」

そう言ってキスをくれた。

チュッ……

一度だけなのに、胸がキューーンッてなる。

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