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あの頃に戻って……
第11章 日常
「あと一人で今日は終わりだよ。」

優輝くんが伝える。

「じゃあ、お義母さんに連絡しなきゃ。」

「終わったら連絡すれば良いさ。……少し、お茶でもゆっくり飲もう?」

「うん。」

優輝くんの働く姿はカッコいい。

実際、イケメン美容師が目当てで来るお客様も多い。

そういう人にとっては私は邪魔な存在なのかもしれない。

今日、最後のお客様が見えた。

予約客のみの受け入れだから、今日はこれ以上、電話さえ来なければ終わり。

予約客のみにしてるのは、美容師が優輝くん一人だから。

あまり待たせることもないように考えている。

だから、なるべくカットなのか、パーマなのかとか、細かく聞くことにしている。

おおよその時間がわかるから。

今日最後のお客様は、カットとカラー。

カラーとパーマが一番時間が読めない。

カラーもパーマもかかりやすい人ばかりじゃないから、何度も液を足してやっと仕上げることもある。

そんな時は、次のお客様を待たせてしまうこともある。

でも、みなさん、良い人で、嫌な顔はしない。

とってもありがたい。

今日の最後のお客様のカラーはすぐに入って、気に入ってもらえた様子で、笑顔で帰られた。



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