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あの頃に戻って……
第12章 新しい世界
順調な滑り出しの園生活。

1ヶ月経って、もうすぐ運動会!

新生活にも慣れて、楽しくて、毎日毎日、ウキウキしてた。それは、咲良たちも同じようで、園での出来事をたくさん話してくれた。

優輝くんも美容室は相変わらずの人気ぶりだった。

私は、優輝くんにおんぶに抱っこ状態じゃなーって思って、少しでも家計の足しになればと、ネイルアーティストの資格を取った!

優輝くんがお店にこんなこともやってるよって、小さな広告を出してくれたから、時々、依頼がくるようになった。

園関係のお友達も増えて、そのおかげで、お客様も増えた。

日々、人との繋がりに感謝してる。

今、バス停で園バスが来るのを待ってる。

同じバス停のママたちは3人。

みんな良い人ばかり。

「美都さん、今度ネイルやってほしいんだけど、いつだったら空いてる?」

その中の一人、志藤雅ちゃんのママ、春花さんが聞いてきた。

春花さんはもう、お得意様だ。

「いつもありがとうございます。」

私は手帳を広げて、確認する。

「一番早くて明後日の10時ですね。」

「じゃあ、その日でお願いします。」

「お待ちしてます。」

そんな私たちの会話を聞いていた、咲良と同じクラス、嘉山千夏ちゃんのママ、立夏さんが、

「ネイルアーティストだっけ?」

そう聞いてきた。

いつも予約をとるときは、電話が多いから、初めてバス停で話してるのを聞いたから、びっくりしたのかな?

「えぇ。」

「美都さんのネイル、可愛いのよ。私、チップも作ってもらったの!」

春花さんが宣伝してくれる。

「私もやってもらおうかな?今度、結婚式があるのよ。」

「そうなんですか。いつですか?」

「来月なの。」

「そうですか。」

私はいつ頃来れるか、確認して、予約をとった。

子どもたちが乗るバスが見えた!

キキキッ!

バスが停まる。

「ただいま戻りました。」

先生が言う。

「ママー!ただいまー!」

良雅が元気に帰ってきた。

「ただいま、ママ。優大、寝てるよ。」

咲良が教えてくれる。

「優大はよく寝るわね。」

最近は優大くんのことを呼び捨てにしてる。

もう、我が子同然のように可愛い。
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