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あの頃に戻って……
第4章 美容室
「こちらへどうぞ?」

優輝くんが椅子へと案内してくれる。

やだ……相変わらず、ステキ。

「ありがとうございます……」

緊張して、敬語になっちゃった。

「このまま同窓会行くの?」

「え?あ。うん。そう。」

「同窓会に着てく服なんだ?」

「あ、うん。」

変かな?

「……じゃ、この雰囲気を壊さないようにセットするね?」

「お願いします。」

当時はあまり話せなかったけど……

15年も経てば、そんなことないのね。

「美容師さんになったんだ?」

そう言うと、

「そ。家継ごうと思ったのに、学校行ってる間に経営難で潰れた。」

そんな話も明るく話す。

「そうだったの。大変だったわね。」

「ま、おかげで心機一転、新しくオープンできたからラッキーだけどなー。」

「このお店は優輝くんが経営してるの?」

「そ。俺、社長さん!」

そう言って、ニカッて笑う。

変わらない笑顔……

安心する。
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