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あの頃に戻って……
第4章 美容室
「今日、どれくらい集まるの?」

ドキドキを悟られないように、平静を装う。

「結構来るよ。地元残ってるやつ、少ないから、わざとお盆の時期選んだんだ。」

「正解ね!私もこの時期かお正月くらいしか実家にゆっくり来れないから、助かったもの。さすが、優輝くんよね。」

思ったことを伝えた。

「サンキュー。……このあと、誰かと待ち合わせて行くの?」

「ううん。直接行くわ。」

「そっか。じゃあ、少し待っててよ。」

「ん?」

「佐野で今日はもう最後だからさ。一緒に会場行こう?」

ドキンッ!!

特別な意味なんてないよね。

勘違いしちゃダメ!

自分に言い聞かせる。

「ここからなら歩いて行けるわよね?」

「うん!車?」

「ううん。母に送ってもらったの。」

「じゃ、一緒に行こうぜー!」

「うん。」

「こんな仕上がりでどうですか?お客様。」

姿見まで用意してくれた。

「うわー。ステキ!やっぱり思いきって、来て良かった。ありがとう、優輝くん。」

自分では絶対にできない!

ふわふわ~ってなってるのに、アップでまとめてくれて、途中、編み込んである!

「気に入ってくれたみたいで、良かった!じゃ、ちょっと……家の方で待ってて?ここから入れるから。」

「え?良いの?奥様と優大くんいるんじゃ?」

「出掛けたから気にしないで大丈夫だよ。」

「そう。」

リビングに招かれて、しばし待つことになった。
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