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あの頃に戻って……
第6章 運命
ジャズが流れる中、窓際に並んで静かに飲み始めた。

「俺のこと、好きだったのってだいたい、いつくらい?」

「同じクラスになった時だから、中2の時よ。」

「そっか。俺は……自分の気持ちになかなか気が付かなくて、卒業控えて、進路決める頃だったな。美都と離れなきゃいけないんだって思って……」

「そうだったの。」

「あのとき、コクってたら何か変わっていたかな?」

「そうね。変わっていたと思うわ。」

後悔してる。

どうして告白しなかったのかって……

二杯目、カクテルにした。

あまり普段飲まないから、身体が火照る。

「飲み過ぎちゃうからゆっくり飲むわ。」

お酒に弱いということを伝え、スローペースで飲む。

「優輝くん、私、自分がどんな気持ちで結婚したのか、思い出せないの。」

「どんな気持ちって?好きだから結婚したんじゃないの?」

「……そうだったのかしら。」

おもむろに携帯を取り出す。

「これ、主人よ。……気を悪くしないでね?……主人と優輝くん、横顔が似ているの……」

「え?……あぁ……確かに……少し似てるかも。」

そう言って、優輝くんも携帯を取り出す。

「……俺の妻も……目元が、美都に似てるんだ。」

!!!

ほんとだ!

「確かに……似てるわね。」

「俺たち……どこかでずっと……お互いを求めていたのかな。」

私と同じことを思ってる。

「そうみたいね。」

もう……今さらどうにもならないのに。

だけど……


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