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あの頃に戻って……
第7章 嫁不在
初対面なのに図々しいお願いをしてすみません、そう言って、莉緒さんは駿介くんと出掛けた。

「3時まで予約ないから、俺も行くよ。」

と、優輝くん。

やった!

デートみたい!嬉しいッ!

私たちは三人の子どもたちを連れて、本当に目の前にある公園に来た。

咲良は本当によく年下の面倒を見てくれる。

親の私から見ても、よくできた子。

とはいえまだ6歳だから、完全には任せられない。

「咲良、危ないこと、大変なことは必ず言うのよ?」

私は毎回そう、声をかける。

「はーい!」

三人が滑り台で代わる代わる遊んでる。

最初だけ近くで見て、大丈夫そうだったから、私と優輝くんは、ベンチに座った。

「ごめんな。二人きりにはなれないけど……少しでもデートみたいなことできたらなーって。」

「優輝くん。ありがとう。とっても嬉しいッ!」

小声で話す。

子どもたちを見ていると自然と笑顔になるから、表情を気にしなくて済む。

でも、見つめ合うことはなかなか……難しい。

「莉緒さんて、優輝くんより年下?」

「いや。年上だよ。1つだけど。」

「そうなんだ。」

「ママとはお見合いなんだ。」

「そう。」

「初めて見たとき、美都に似てる!って……。美都も結婚したって聞いたし、諦めようって……思ってた時にお見合いの話がきてさ。特にここが嫌だとかはなかった。美都に似てるから嬉しくて……。信じてもらえるか分からないけど、俺、優大できた時の一回しかヤってないんだ。」

「えっ?!」

「美都のこと、忘れようとすればするほど、忘れられなくて……なかなか勃たなくて……優大できたのも酔ってたから、あんま覚えてないし。」

「そうなの?」

「あぁ。最低だろ?」

「莉緒さん、不満とか言ってこないの?」

「あぁ。全然。不倫相手に世話してもらってるんだろ、多分。」

「えっ?駿介くん?」

「そう。多分、今日は帰ってこないよ。しょっちゅうだからな。」

「そうなんだ……。」

問題は私の方ね。
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