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第9章 旅行

人里離れた温泉街。

優輝くんが小一時間運転して、連れてきてくれた！

「温泉、好き？」

「うん！」

「良かった。宿、完全個室で一部屋一部屋に露天風呂ついてるんだ。」

「えー？すごい！」

「来月から改装するから、今月で最後らしいよ。」

「よく空いてたね。」

「一人ででも来ようと思ってて、ずっと前から予約しといたんだ。まさかこんな最高な展開になるとは思いもしなかったけど。」

「そうだったの。優輝くんて、温泉大好きなんだね。」

「あぁ。大好きだよ。ここは毎年この時期に一人で来てるんだ。」

「そうなの？」

「あぁ。これからは美都と、子どもたち連れて来たいな。」

そんな嬉しい言葉をサラッと言ってくれる。

嬉しくて、笑顔になる。

チェックインして、部屋に向かう。

日本庭園！

露天風呂！

貸し出し浴衣！

……スウィートルームなんじゃない？これ？

部屋、すごく広いし、寝室、別だし…

まぁ、スウィートルームって見たことないから判断できないけど。

とにかく素敵なお部屋。

荷物を置いて、

「お部屋、本当にステキね。」

優輝くんに話しかける。

「そうだね。この建物の中庭もすごいんだよ。このあと散歩して来ない？」

優輝くんに誘われる。

「うん！」

嬉しい！優輝くんが誘ってくれることも、こうして二人きりでいられることも！