この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
渇いた人妻たち
第2章 身の上話
征男の転勤先である駅はもう十数年前から定年間近い駅長ばかりが配属されていたので若さの溢れる三十三歳の駅長が来るという噂は前任が退職する際の駅前有志で主催する送別会の場で公表されていたためにその地域の中でも特に女性から「若くてイケメンの駅長が来る」と期待の眼差しで迎えられることとなっていた。
一方征男も入社同期や二~三年先輩たちを抜いての出世ができたと本人はもとより妻も大喜びの中で赴任の日を迎えたのだった。
着任の日、部下の助役と一緒に町内会長を皮切りに二十軒余りの挨拶回りを済ませたのだった。
その駅は一人で勤務をしているので何事が起こっても駅周辺の人達に協力をしてもらわなくてはならずそれは欠かすことの出来ない大切な行事でもあった。