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気付かないうちに
第3章 試してみません?
ふと彼が話題を変える。

「そういえば、川口さん。彼氏さんとはどうなんですか?」

以前から話しているお互いの彼氏彼女の話。
私の彼氏は2個上で、横浜に単身赴任中だった。
彼とは1年前に遠距離になったのだが、それが逆に良かったのかもしれない。
お互いに仕事が大切なので、会うのは月1程度なのだが、程よい距離感を保って上手くいっていた。
ただひとつの問題を除いては。


「うん、割と上手くいってるよ。」

「遠距離ですよね、寂しくないんですか?」

「うん。自分でもびっくりするくらい平気なの。会いたいってあんまり思わないんだよね〜。」

新しい4杯目の生ビールがきて、それに口を付ける。

「それって好きっていうんですか?」

訝しげに彼が言う。

「長く付き合うとそんなもんじゃない?家族みたいというか。
ひとつ問題があるとすれば、夜の方だね。」

少し酔ってきていた私は、普段ならば後輩に絶対下ネタは言わないのに、そんな話をしてしまった。

「夜の方って?」

青井くんが興味津々といった様子で聞いてくる。
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