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向日葵
第11章 想い愛
 小さなキッチンテーブルに座り、私達は顔を見合わせた。
貴女が淹れてくれたルイボスティーを一口飲んだ。

 多分、どんなに淹れ方を真似ても、貴女の様な優雅な香りや味は私には惹き出せない。

 「おめでとう。葉月。
幸せになってね。
可愛だろうな…葉月の赤ちゃん。
貴女のお腹に宿る命は幸せよ。
ママになった貴女に愛されて生きてゆくのだから」

 「…すみれ。有難う」

 「葉月がこれから愛してゆく者は宿った命。
それと旦那様よ。
貴女が選ぶ道は間違ってない!
だから貴女の幸せを願う」

 「すみれも愛してゆくわ。
人知れず、そっとね。
今日買ったコート、すみれに似合うよ。
私の見立てだもん!
私なら、すみれに一番必要なものを選んであげられる。
すみれは…寂しがりやで泣き虫だからね…
だから、私の代わりにすみれを温かく優しく包んでくれると思う。
辛い事があっても、襟を立てて堂々と歩いて!
冷たい風が吹きつけても、私が寄り添っていると思って乗り切って欲しい。

 すみれなら、絶対見つかるよ!
すみれを優しく温める陽だまりが。
だから、そのコートはその時までのお守りだよ」
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