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向日葵
第6章 逞しく生きる、女豹
 そんな中、仕事でイタリアンレストランのオープンカフェの取材に行った。

 店内や料理を写真に撮ったり、店長さんからお店のコンセプトや記事にしたい要件などを聞き、取材も無事に終わって店を出ようとした時、肩を後ろから軽く叩かれて振り向いた。


 私の後ろに居たのは……
懐かしくも一生会いたくない人間だった。

 
「すみれ、すみれだよね?」

 「り、…梨花…」

 一瞬で私は固まった。
そんな事もお構いなしに梨花はペラペラと喋り出す。

 「お仕事、お疲れ様!」

 「えっ、あっ、うん……」

 「いい記事書いてあげてね?
この店、私のお気に入りなの。
取材が入るって聞いていたからさ、邪魔しない約束でずっと奥で様子見ていたんだよ。

 やっぱり、すみれだったわ…
オーナーが主人の親と親しくてね。よく来るのよ」


 「結婚したの?」

 「えぇ、半年前にね。
結婚式、すみれを招待したかったけど連絡先分からなくて……
あの日以来、途絶えてしまったものね……
残念ね、いいお友達だったのに……
是非、主人にも会って欲しかったわ。

 ねぇ、場所を変えてお茶でもどうかしら?
少しお時間頂いてもいいかしら?」

 「えっ、えぇ……」

 言葉は丁寧でありながら棘があり、ギラギラとした挑戦的な目を向ける梨花。

 断る事も考えたが、逃げる口実も上手く浮かばない。
少しくらいの嫌味も覚悟で梨花に付き合った。
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