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向日葵
第6章 逞しく生きる、女豹
 梨花は、更にグレープフルーツジュースをかき混ぜ、焦らしながら話し始めた。

 ーー卑しい女ーー
梨花の話したい事は大体の検討はついた。
だけど、どんなからくりでそこまで至ったのかは知りたい。
焦らされると余計イライラもするもんだ。
『早く、言ってしまいなさいよ!』
大体、それを言いたくて、私を待ち伏せしていたくせに!

 「ねぇ、すみれは私が憎かったのかなー?
すみれより涼太を好きになった私の事がさ…」

 ネチネチと掘り返しながら、この女はそう言った。
いちいちこの女の挑発に乗るもんか!
私は平静を装う。

 「若かったからね…
私も勘違いが多かったみたいね?」

 「私は、康介君じゃなく涼太が好きって、すみれに打ち明けたんだけどな…」

 「そう、私には関係ない事だけど、今、梨花が幸せならそれで良いんじゃない?」

 梨花はクスっと笑って話を続けた。

 「そうね、すみれの言う通り幸せよ!
私みたいに短大卒で取り柄のない女が、JAPANScienceテクノの研究者と結婚出来ちゃうんだからさ……
安泰よね…将来もこの子も」

 梨花はわざとお腹を愛しそうに擦る。

 「凄いわね。
理系の大学を出てなくても、その名前は良く知っているわ。
JAPANScienceテクノって言えば大手の電機精密機器の会社ですものね。
ご主人、エリートなのね」

 さぁ、梨花!
あなたのサクセスストーリーが話しやすくなったでしょ?
私はいつまでも裕福な奥様の世間話に付き合う程、暇じゃないのよ!

 一気に話してしまいなさい!
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