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向日葵
第6章 逞しく生きる、女豹
 「もう、すみれ…
急かさないでよぉー」

 「ごめんなさいね。私は梨花みたいにエリートのご主人を持つ、優雅な奥様じゃないのよ。
仕事の時間もあるから、手短にお願い出来るかしら?」

 一瞬、チィっと小さく舌打ちをし、キィと私を睨む梨花。
そして、わざと笑顔を作り話し始めた。

 「私さぁ…その都度、的確な嫌味を返せる頭が良くて美人なすみれに憧れていたんだよ!

 でもさ、すみれはあっさりと私の手の中に堕ちてくれた。
何だか拍子抜けしちゃったわ。

 ーーそれに、ガチなビアンだったしさーー

  遊びで割り切れないすみれに興醒めしていたんだよね。
 私ね、涼太がすみれを好きだったのは最初から気づいていたの。
 あぁ、何ですみれなんだろう…ってムカついたのが始まりだった。
 すみれに向ける恋する男の視線が余計ムカムカさせたわ。

 『ビアンだから、無駄なのに…』
何度忠告してやりたかったか……

 ある日気づいたよ。
私は涼太が好きで、すみれに嫉妬をしていたんだって。
ならさ、私に涼太頂戴よって思った。
だって、私は涼太も愛せるんだもん!
すみれは無理なんだから、私が貰っても良くない?」

 梨花の言葉が私の頭を駆け巡った。
正論が何処にあるのかすら分からなくてなった。


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