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向日葵
第6章 逞しく生きる、女豹
 「あははははは」
私は声に出して笑っていた。

 梨花は困惑した様子で私を見ていた。
『気でも触れたか?この女?』とでも言いたげな訝しげな顔をして。

 可笑しくなった。
私なりにこの過去を上手く消化出来たと思ったからだ。
重苦しく、十字架を背負った様に思えた事でも、人生というのは面白可笑しく丸くおさめてくれるもんなんだと感心すらした。

 目の前の逞しい女豹は、強かに生きる術を知っている。
私から見れば卑しい女としか思わないが、この女の執念にも似た恋心を応援する神も居るという事を知り、気も楽になった。

 限られた陽だまりの中で穏便に暮らしたいと願う猫とは違い、サバイバルを生き抜く女豹は、鉄心を持ち、獲物が堕ちるまで執念深く追う事も厭わないのかもしれない。

 ーー素敵過ぎるわ。全く!ーー


 「なっ、何が可笑しいのよ!」

 気を悪くした梨花が私を睨んだ。

 ーー可笑しくもなるわよ!狡賢く、我儘で人の気持ちを上手く転がす女が最後に嗤う勝者なんてさ!ーー

 可笑しくて、笑うしかないじゃない!
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