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続「辿り着く 先には」
第4章 『別離』
切れてしまった電話を眺めて、手の中に温めるようにして握りしめた。まるで、電話の中に住んでいる住人のように感じた。時おりそこから、出てきて遊んだり出来る様な気がしてなら無かった。

離れるとそれ程、現実味がなく不安でもどかしかった。愛しい想いだけが沸いて、すぐにでも戻ってしまいなくなった。何もかもを捨ててそれが、出来たらどんなにいいだろうと考えた。だが、そんなことの回答がすぐに出るはずもなかった。

不安な気持ちを持ちつつも、電車に乗り込む。メールも打ってから流れる景色を眺めていた。揺れる心は確かにあった。旦那の事を考えても、自分の意思だけの事では無かったので話は進まずにいた。いずれ、別れることは事実であっても、その後に聖との生活があることは想像できなかった。

聖は家族とは別れることは無いだろう。自分の欲しいパートナーには選べないことは分かっていた。だが、今は聖の絶対支配に身を囚われることをどうすることも出来ないのだ。帰り着くまでに色々なことを整理して、頭をスッキリさせようと。景色を見ながら思う絢音だった。少しずつ距離が離れていく寂しさを感じながら・・・

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