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続「辿り着く 先には」
第4章 『別離』
「そこまで言うたなら言わなあかんよ。気になるやん。どんなことを感じた。」旬巡しながらも、答えに窮して唇を噛みつつため息をついた。どうして、いつもこうやって強制的に感情を出させられるのかと考えていた。それが、聖なりの優しさなのだろうと分かってはいたが辛かった。
「どれ程の事かって、ずっと考えていたけど想像を遥かに越える体験だったから。女の人の体ってあんなにもなるんだって思ったら少し怖くなったって言うか。でも、先があるならば見てみたいなとも。」

車に乗りながら、スピーカーで話していた聖。なんでも、真剣に話を聞いてやることが大事だと思っていた。女達の言葉を聞くことによって、また違う心理に触れる。それにより女を分かってきたのだから。
「快楽を得ることは悪いことじゃない。ただそのやり方がどんなものかは個人差があるやろうけど、その女の感じる感じ方も重要になってくるしな。絢音は羞恥と言葉に弱い。感受性も強いし敏感な部分が沢山あったからこそ体感が増えた。なんでも、経験やよ。」

「そうね、それは分かる。今までの人生もそうだったもの。前に離婚した時もみんなには失敗って言われたけど、私は経験だって思ったわ。なんでも、経験して得ないと満足しないから。」
「それで、ええんとちゃう?悩むことなんて無いわ。」少し考えてから言葉を連ねた。
「でも今、私がシングルなら問題は無かったんでしょうけどね。まぁ、こうなってしまってから言うことではないわね。でも、自分で分かっててしたことだから責任は自分でとるわ。」

「何にも、駄目なことはないよ。ただ、愛し合っただけや。気にせんでええ、辛いなら気持ちを貰う。だから、また眉間に皺を寄せない。」それには笑ってしまう絢音だった。
「何処かで見てるの?大丈夫、難しい顔はしてないわ。」
「あんまり考えると、老けるで。可愛い絢音が好きやから、気を付けて帰りぃ。着いたらメールして。」
「そうね、ありがとう。聖も車、気を付けて。色々とありがとう。また、来るわね。」
「楽しみにしてる、愛してるよ。」耳元で唇の音が聞こえる。キスを軽く受話器に向かって飛ばしてくれたのだ。いつ、聞いても慣れなくて照れてしまう。
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