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第2章 Scene.01

　
「でもホント……何でヤスさん復活出来たの？」

「アッシにも分からねぇっスよ」

　ホントに分からねぇっス。

　意識が無くなる寸前に、唇に柔らかい感触と口の中に液体を入れられたのは覚えてるっス。

　何気に、川の向こうで死んだ爺ちゃんが手招きしてたのは覚えてるっス。

　仕方ないので川を渡ろうとしたら、爺ちゃんが川を飛び越えて蹴ってきたっスよ。

　今度会ったら、やり返してやること決定っス。

　…死んでるからムリでしょうけど。

「でも、結構な大怪我だったのに、凄い回復力だよねぇ」

　勇者の坊ちゃんがキラキラした目で見てくるっス。

「いや、アッシは何も………」

　ただ、姐御が倒れてるのを見たら、無意識に体が動いてたっスよ。

　怪我とか気にしてなかったっス。

「きっとぉ、アタシの愛情よぉ」

　それだと、微妙に嬉しいんスけどね。

　取り敢えず、傷跡も残らずに綺麗さっぱり治ってたっス。