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第9章 それぞれの過去

ここで佐知子と結花の過去について

少し書きます。

佐知子、結花は

龍の元へ来る前にはいわゆる

「麻薬中毒者」

でした。

かなりの重症患者。


先に龍の目に留まったのが

佐知子でした。

龍が街を歩いていると

ふらふらと佐知子が歩いてきます。

「どん！」

ぶつかっても知らん顔…

「何だ？」

龍は声を掛けますが

その時は既にラリっていました。

そしてその場で

気を失ってしまったのです。

仕方なく龍は救急車を呼び病院へ…

そこで重度の麻薬中毒患者だと

言う事を知らされます。

しかし、龍の目には佐知子の目の奥に

「誰か…助けて…」

の叫び声が見えました。

入院の手続きを済ませ、

担当医に

「落ち着いたらこの子を
引き取らせて戴きたいのですが…」

「え？この子は
麻薬中毒患者ですよ？
引き取っても立ち直るのは
かなり難しいと思います。」