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龍、人生の絆
第4章 絶望…希望…
龍は黙ってそれを聞いていた。

「それで俺に助けてくれと
電話をしてきたのか?」

「龍さんしかいないんです。
他は駄目でした。
でも、龍さんだって迷惑でしょう?
デリヘル嬢にいきなり助けてくれと
言われたって…」

「少し待て…」

龍はルナの話を途中でさえぎると

電話を掛け始めた。

「あ、俺だ。
**マンション一室
開いているな?そう、
3LDKタイプだ。
そこを今日中には
入れるように手配してくれ。
ん?いや、以前から理沙君の後釜を
探していたんだが適任者が見つかった。
未経験者だが生活志望が
しっかりしている。

そう、みんなと同じだよ。
仕事用の事務所は
隣の部屋を使えばよい。
すぐに手配を。
それと総務部長と人事部長には
先に話は通してあるから
伝えるだけで良いよ。

採用条件書と契約書、
保険関係の書類を用意してくれ。
明後日、本人が出社するから
その時に契約でOKだ。
じゃ、頼むよ。」

と、電話を切った。

「ルナ、今話しているのを
聞いただろう?
明日から住む所と仕事先は
俺が用意してやる。
だから心配するな。

仕事が安定したら
会社専属の弁護士を通じて
子供を引き取る手続きを始める。
頑張れよ。」

「ちょ、ちょっと、
龍さん、私…」

すぐにルナの口を手で塞いだ龍は

「それ以上は言わないで良い。
後は任せておけ。」

「んぐっ!!龍さん!!」

ルナはあっけにとられたのと

同時に涙がこみ上げてきた。

全く、龍さんと言う人は

こういう時には

人の言う事は一切聞かないで

話を進めるんだから…

ルナはそう思ったが

今の話しを聞いた限りでは

ルナの人生はここで

急に舵を切って幸福へと

向かっている様な気がした。
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