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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第12章 イチャラブ 編 1-1
咄嗟に足を後ろに持っていき身体を支えようとしたが、スリッパで足を滑らせてそのまま後ろに倒れていく。

心愛は自分の視界が、京一の後姿から廊下の天井に変わっていくのをスローモーションのように感じて眺めていた。
転倒していくのは理解できていた。しかし身体はどうにもならない。声を出そうとしても何も出ない。
視界がゆっくりと天井に変わっていき、転倒の恐怖から目を閉じた。暗闇の中で上も下も何もわからなくなった。
次の瞬間、心愛は巨大な人間の大きな手で身体をギュッと鷲掴みされた気がした。
恐怖の感情が沸き起こり、自分の叫び声が響くのを聞いた。
「いやっ!!!」
それと同時に背中側にショックを感じ一瞬息が出来なくなる。

それでも意識が途切れることは無かった。
身体の痛みは無く、自分は廊下で後ろ向きに転倒したんだ、と分かってもいる。
ただ目を開けるのが怖かった。ひょっとして別荘の廊下ではない別の場所が目の前にあったら、と思うと瞼をなかなか開けない。

「ん・・・んん・・・」
聞きなれた京一の声が顔のすぐ近くで聞こえて、恐る恐る目を開けてみる。
「京一・・・」
静かに名前を呼ぶと、ニヤッと笑っている。
息がかかるほど近くに顔があることに驚くことは無かった。しかし、どうして抱きしめられているのか分かるのに、一瞬の間が必要だった。

廊下の床と心愛の後頭部、背中との間には京一の腕がしっかりと入っていて、転倒の衝撃から守っていた。
廊下で抱き合っている様な体制のまま、呟くように心愛は言った。
「えっ?・・・これって私を庇ってくれたってこと?・・・」
「そうだよ。レスリングのタックルの様にしてしがみ付いたら、心愛が転倒する前に間に合ったんだ。良かったよ」
「・・・あ、ありがとう・・・」

なんでもないような言い方で京一は言ったが、心愛は自分が倒れた時の状況をしっかりと思い出すにつれて、危なかったことが分かってきた。
足が滑り、何の受け身も取れずにそのまま後ろに倒れて行った自分。

もしそのままだったら・・・
京一が庇って抱きしめてくれなかったら・・・

その先を考えるとゾクゾクとした悪寒が込み上げて来る。自然に涙が溢れて来た。
「うっ うっ・・・怖かったよぉ・・・ううっ・・・」

目の前で急に泣き出した心愛を見て京一は焦り出した。
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