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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第12章 イチャラブ 編 1-1
不意に肩をポンポンと叩かれ、耳元で囁かれた。
まだ顔を上げられない。汗が止まらない。

「立って。次の所へ行こう」

そう言った彼がスッと立ち上がって右手を差し出してきた。
手を差し出されても、身体を動かすのが面倒だった。
汗で服が張り付き気持ち悪い。シャワーを浴びてスッキリしたかった。

まだ、見てる・・・

横目で確認すると、そのカップルの男は彼女と手を繋ぎながらもこちらを、沙紀をチラ見しているのが分かる。
横座りから膝立、そしてゆっくりと脚を伸ばしながら身体を起こす。
その途端に目眩に似た症状でクラクラと身体が揺れて、彼にしがみ付いた。
身体の調子がおかしい。少し不安になった。

どうしたんだろ・・・風邪、かな?・・・身体が熱い・・・

見知らぬカップルの男は、俊が背中を向けていることをいいことに明らかに自分をガン見していた。
ミニスカートから伸びる白い脚を遠慮もしないで見続けているのが分かる。
今までも、こんな風に男達から顔や身体を舐めるように見つめられることは経験している。
でも今回は少し違った。

意識し過ぎかな?・・・身体を触られてるみたいな気になっちゃう・・・
視線に・・・撫でられてるみたい・・・

「行こう・・・俊」

その場から早く移動したかった。
彼に胸を揉まれているところや、ランジェリーが見えてしまったかもしれない程、ミニスカートの裾を乱して感じてしまったこと、そんな恥ずかしいところを見られたかもしれない、と思う気持ちが余計に、撫でられているみたい、そう感じさせているのかも知れなかった。

「早く・・・」

もう一度急かして、彼に身体を支えられるように抱きかかえてもらいながら歩き出した。
しかし後ろからも、その男の視線は粘っこく付きまとって来ている気がした。
脚だけではなくお尻や腰にも撫でられるような視線を感じる。
さりげなく、空いている手でお尻を押えて庇ってしまう。
ミニスカートの裾が捲れたりしていないのが分かってホッとするが、部屋を出るまでその視線が身体に絡んでいる感触は消えなかった。



「大丈夫?座って休む?」
「うん・・・ごめんね」

心配した俊が人気の少ないトイレ近くの通路で椅子を見つけ、座ることが出来た。ホッとして身体から力が抜けていく。
本当は横になりたかったが、それは我慢した。
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