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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第12章 イチャラブ 編 1-1
その後、絶叫系ジェットコースターの全制覇を目指して、梨乃、沙紀、心愛の3人は、それが全く苦手な彼氏達を引き連れて乗りこなしていく。
彼女達は、どんな姿勢になっても力むことなく、流れに身体を預けていくので疲れることは無く、恐怖心が欠如しているのか、麻痺しているのか、怖がる様子は全くなかった。楽しくて仕方がない気持が全身に出ていた。
そして遂に6種類の絶叫系を全て乗ってしまうと、抜け殻のようになってしまった彼氏達を引っ張る様にして、意気揚々と受付へ行き手続きを済ませた。

スタッフの拍手の中、記念品を受け取り、満面の笑みで記念撮影も済ませる。
しかし、カメラマンをしたスタッフが心配そうに話しかけてきた。

「あの、男の子達大丈夫かな?医務室だったら近くにあるから、休んで行ったら・・・顔色が悪いよ」
「えっ?あ、あの大丈夫です!多分・・・あはは・・・」
「そうです!お昼に何も食べてなかったから、それで、だと思います!」
梨乃と沙紀が照れながら言い訳を言うと、別のスタッフが口をはさんだ。

「あまり無理して乗らないようにね。この間もカップルが全制覇したけど、彼の方が病院に運ばれたからね」
3人の女の子達は顔を見合わせ、頷き合った。

「はい!分かりました。ありがとうございました!」
心愛の言葉を合図に、彼氏を連れてそそくさとその場から離れて言った。
その後の休憩と軽い食事で、彼氏達も何とか元気を取り戻すことができ、6人は次のアトラクションへ向かって行く。

「琢磨、京一・・・俺達はあの記念品の為に命を掛けてきたのか?」
向かう途中の俊の言葉に、3人は彼女たちが嬉しそうに抱えている、この複合施設のキャラクター人形をじっと見つめた。
よほど可愛く見えているらしく、頬擦りまでしている。

「俺たちの命ってそんなに軽かったのか・・・」
京一の呟きに琢磨が頷き、言った。
「この埋め合わせは次のアトラクション・・・お化け屋敷でしようじゃないか!」
俊と京一も力強く頷いた。



「体験型お化け屋敷!!!」
彼氏達に連れられてやってきた次のアトラクションを見て、彼女達3人は声を揃えて看板を読み上げた。
早くも顔が強張っている。
入場するまでに時間を掛けるのは良くない、と分かっている彼氏達は、反論する隙を与えることなく強引に施設の中に入ってしまう。
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