この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第12章 イチャラブ 編 1-1

何年も使っていない潰れた病院の待合室、スリッパが散らかり、埃が積った劣化がひどい椅子、雑誌や絵本なども床に落ちている。造りものだと分かっていても、本物の病院内に迷い込んだような錯覚を覚えてしまう出来だった。
「病院内のコースか・・・」ポツリと呟いた俊の低い声に、梨乃の二の腕や背中にゾクゾクとした悪寒が走り、鳥肌が立つ。
「変な言い方しないで・・・」俊の左手に身体を寄せ、空いている左手で彼の二の腕を掴んだ。
梨乃の言葉に反応しないで一点を見つめている俊を急かした。
「ねえ、どこ見てるの?もう行こうよっ!ねっ?」
「誰かいる・・・カウンターの中・・・」
「やめてよ!・・・いやだ、もう・・・」
ゆっくりした俊の話し方がかえって不気味だった。梨乃は思わず彼と同じ方向、受付のカウンターを見つめてしまった。
唐突に、真っ直ぐに伸びた肘から先の腕が一本ヌッと現れた。力なくカウンターの上に倒れていく。やがてその腕を支えにして立ち上がろうとする者が頭部から徐々に表れてきた。
「いやっ!!」
梨乃は叫ぶのと同時に後退りしてこの場から逃げだそうとした。俊もそれに続く。
長い黒髪が顔にまで掛かっている女性が姿を見せ始めている。
表情は見えない。首や身体が不規則に不自然な方向にカクカクと揺れている。
ど・う、され・ました・・・か・・・
抑揚のない言葉が、カウンターの上に肩まで現れた女性から出てきた。
いや!!こないで!いや!・・・梨乃は絶叫しながらカウンターから一番遠い壁まで逃げると、俊に叫んだ。
「どこへ逃げるの!ねえ!早く!!」
涙目になり冷静さを失くした梨乃は俊の手をもどかしそうに左右に揺する。
「こっちだ!」
俊があらかじめ琢磨から教えられた、より怖いコースへと彼女を連れて行こうとした。
その時だった。
梨乃が背にしていた壁に貼られたポスターが、内側からビリビリと破られて、中から入院患者のようなゾンビらしき者が1人現れた。真っ直ぐに伸ばした手を彼女に向けて迫ってくる。
「きゃっーーーー!!!」
梨乃は叫んだ後、ヘナヘナとその場に座り込んでしまった。
軽く腰が抜けてしまったのかもしれない。
それでも、俊はゾンビの手が彼女の肩に掛かる寸前にお姫様抱っこの様に抱き上げると、その場を素早く立ち去った。
廊下の角を2つ曲がったとこでようやく立ち止って後ろを振り返った。
「病院内のコースか・・・」ポツリと呟いた俊の低い声に、梨乃の二の腕や背中にゾクゾクとした悪寒が走り、鳥肌が立つ。
「変な言い方しないで・・・」俊の左手に身体を寄せ、空いている左手で彼の二の腕を掴んだ。
梨乃の言葉に反応しないで一点を見つめている俊を急かした。
「ねえ、どこ見てるの?もう行こうよっ!ねっ?」
「誰かいる・・・カウンターの中・・・」
「やめてよ!・・・いやだ、もう・・・」
ゆっくりした俊の話し方がかえって不気味だった。梨乃は思わず彼と同じ方向、受付のカウンターを見つめてしまった。
唐突に、真っ直ぐに伸びた肘から先の腕が一本ヌッと現れた。力なくカウンターの上に倒れていく。やがてその腕を支えにして立ち上がろうとする者が頭部から徐々に表れてきた。
「いやっ!!」
梨乃は叫ぶのと同時に後退りしてこの場から逃げだそうとした。俊もそれに続く。
長い黒髪が顔にまで掛かっている女性が姿を見せ始めている。
表情は見えない。首や身体が不規則に不自然な方向にカクカクと揺れている。
ど・う、され・ました・・・か・・・
抑揚のない言葉が、カウンターの上に肩まで現れた女性から出てきた。
いや!!こないで!いや!・・・梨乃は絶叫しながらカウンターから一番遠い壁まで逃げると、俊に叫んだ。
「どこへ逃げるの!ねえ!早く!!」
涙目になり冷静さを失くした梨乃は俊の手をもどかしそうに左右に揺する。
「こっちだ!」
俊があらかじめ琢磨から教えられた、より怖いコースへと彼女を連れて行こうとした。
その時だった。
梨乃が背にしていた壁に貼られたポスターが、内側からビリビリと破られて、中から入院患者のようなゾンビらしき者が1人現れた。真っ直ぐに伸ばした手を彼女に向けて迫ってくる。
「きゃっーーーー!!!」
梨乃は叫んだ後、ヘナヘナとその場に座り込んでしまった。
軽く腰が抜けてしまったのかもしれない。
それでも、俊はゾンビの手が彼女の肩に掛かる寸前にお姫様抱っこの様に抱き上げると、その場を素早く立ち去った。
廊下の角を2つ曲がったとこでようやく立ち止って後ろを振り返った。

