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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第13章 地下アイドルの秘密 編 1-1
決勝のステージに残ったグループは、流石に歌もダンスも一定のレベル以上のパフォーマンスをしている。
特に今、私達の直前のグループは、曲に合わせてリズムよく動き、ボーカールの子も丁寧に歌っている。しっかりとした実力と練習を頑張ってきたことが良く分かる、いい出来だった。
「夏妃・・・この子達・・・力があるね」
「うん、頑張ってるね・・・でも」
「でも?」
夏妃は自信を持った表情で、ステージから私に視線を向けた。
「でも、私達も負けてないと思うよ。それに、ヴィジュアルも大事でしょ?そこは私達に圧倒的に有利だと思うけど?」
「ふふっさすがリーダー。頼もしい~」
思わず甘える様に抱き着いてしまう。
前はよくふざけて抱き締め合ったりしていたけれど、久しぶりのハグにドキドキした。
夏妃も腕を身体に回してくれる。
でも、そこで私は彼女の抱き締め方が変化しているのに気が付いた。

うそ?・・・なんか違う・・・慣れてる?落ち着いてる?・・・

Bも経験していない処女の夏妃を抱きしめると、焦ってぎこちなく抱きしめ返してくるのが、新鮮な感じがして好きだった。
私は中学3年の時に初体験を経験して、その後もそれなりに付き合った人とセックスはしてきた。その分彼女よりは慣れているのかな、そう思ってきた。
でも、良く分からないけれど、余裕、の様なものを今の夏妃から感じて、かえって私の方がぎこちなくなってしまった。

私の後もメンバーをハグしていき、最後にいつもの掛け声を小さな声で始めた。

「ライブのつもりで、思いっきり歌って踊って、見ている人を虜にしちゃうよ!」
「お~!」

ファータフィオーレの名前が呼ばれて、私達は駆け足でステージに飛び出した。
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