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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第13章 地下アイドルの秘密 編 1-1
始めは気にならなかった審査員たちの顔色が、こんな状態になるとなぜかハッキリと目に入ってくる。お客さん達の、どうしたんだ・・・そう思っている気持ちまで分かる気がした。

後半からは全く納得がいかない出来のまま歌い終わった私達に、お客さんの反応も正直だった。初めに貰った拍手とは比べ物にならない。
頭はしっかりと下げても、特に応援に来てくれたファンの人達に申し訳なくてまともに客席が見られない。
私達は逃げる様に袖に引っ込んだ。
楽屋に戻る前から舞風と心瑠は顔を覆って声をつまらせ泣いている。涼奈も目が真っ赤だ。
私と夏妃は目を潤ませながら、それでも前を向いて年下の女の子達の背中を押した。

「楽屋に戻って・・・少し休んで落ち着こうよ」
夏妃の口から出た、初めて聞いた元気のない声に、私も頷いた。でも彼女の様に言葉を口に出す力が出ない。泣いている子達を促してようやく楽屋に着くと、どっと疲れが襲って来る。
私達は身体を投げ出す様にして、椅子に倒れ込んで俯いた。

どうして・・・どうして、あんなに後半に疲れが出てきたんだろう・・・
確かにハードな曲だったけれど・・・そんな事は最初から分かっていたのに・・・
最初から飛ばし過ぎだったのは事実でも、練習でも感じなかった後半の疲れは、どうして感じたんだろう、その事が頭から離れない。

シクシクと泣き声がする方を見れば、涼奈、舞風、心瑠の3人が抱き合って鼻を啜っている。
彼女達のあんなパフォーマンスも初めて見た。夏妃の聞く人に迫っていくような声が、あんなに弱弱しく感じたこともない。
どうしてだろう・・・一番大事な決勝でこんなことになるなんて・・・

ふぅ、と軽いため息が聞こえた後、夏妃が少しだけ元気になった声で話し出した。
「みんな、お疲れ様。辛いけどちゃんと反省会をやろうよ」
気だるげに椅子を前に出して座ると、また溜息をついている。
私も涼奈も、舞風と心瑠も、気だるげにでも条件反射の様に夏妃の前に集まった。

「愛美、どうしてだろうってずっと考えていたでしょ?練習の時の方がずっとキツイことしていたのにって・・」
「うん・・・実際そうでしょ?ダンスだってやり直しや通しで今日の何倍もやっていたよね。それを頑張ってきたから・・・実際途中までは凄くノレてて、みんなもそうでしょ?
調子いいって思わなかった?」
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