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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第13章 地下アイドルの秘密 編 1-1
「みんなもそうなの?・・・」
私も、後ろにいた涼奈達も下を向いていた。
今は少し気持ちも落ち着いて泣いてはいなくても、3人ともまだ目が赤い。
「だって・・・あんな失敗したから流石に優勝はないかなって、私は思ってるよ。勿論諦めたくはないけど・・・」
「そうなんだ・・・私は・・・」
私は正直に話した。でも夏妃は違ったようだ。彼女は前後を見回して擦れ違う人がいない事を確かめた。
「私は、諦めてないよ。確かに練習の時より酷い出来だったけど、でも途中までは練習の時以上の出来だったと思うし、それに・・・パンフには、今の完成度よりこれからの伸び代を重視したいって書いてあったしね」
そう言うと、行きましょ、とまた先頭を歩き出した。
言葉通り背中には大丈夫、と言っている様な自信が感じられた。
何か余裕の様なものさえ感じられて、その気にさせられる。
どっちみちもう済んだことだし、夏妃の言うことも、もっともだと思った。
信じよう・・・そう思えてくる。



決勝で歌ったグループが揃うとステージに集められた。8組が2列に並んで発表を待つ。
私は夏妃と並んで先頭にいた。
ファンの人達は過剰な声援を送ることなく、今も手を振って励ましてくれている。中には手を合わせて拝んでいる様な人たちもいる。
胸がギュッと掴まれたように痛い。
決勝であんなパフォーマンスを見せてしまったことが悔しくて堪らない。
こんな時なのにまた涙が滲んでくる。
「この悔しさは忘れない様にしようね」
そう言って私の手を握ってきた夏妃の目も潤んでいる。
「うん、もちろんだよ」
2人で握った手に自然に力が入っていった。

何を言っているのか、あまり頭に入ってこなかった審査委員長の総評が終わった。
いよいよ、3位から順に発表するらしい。
ファータフィオーレ、と呼んで欲しいような、欲しくないような、何とも言えない気持と緊張感の中でまず呼ばれたのは、私達の直前に歌ったグループだった。
名前を呼ばれて歓声をあげ、抱き合って涙を流している。
私達も隣で精一杯拍手を送った。派手さは無かったけれど頑張って練習してきたのが分かる、良い出来だと思ったグループが選ばれて嬉しかった。
隣で拍手を送る私達にも、ありがとう、と言って抱きついて来る。
それに応えながら私も涙が止まらなかった。どれだけ努力してきたかが分かる素敵な涙だと思ったから。
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