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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第13章 地下アイドルの秘密 編 1-1
でも、それまで少しでも持ってはいた優勝と言う希望が、急速にしぼんでいくのも感じていた。
このグループが3位って・・・やっぱり決勝でのパフォーマンスが素晴らしかったグループが順に選ばれるんじゃないの?・・・きっとそうだよ・・・
そう思うと身体から力が抜けていくようだった。
今までオーディションで落ち続けた記憶も蘇る。
あんな思いをしたくない、そう思って頑張ってきたけど、まだやり残したがあったってことだよね・・・
まだやり残したこと?やれたことってなんだろ?・・・
「2位を発表します!」
その声にハッとして、私はまた夏妃の手をギュッと握った。
自信ありげだった彼女も、今の表情は硬い。
もう、もう2位でいいから呼んで!ファータフィーオーレって呼んでよ!・・・
私は心の中で何度も必死に呟いた。
「第2位は・・・です!」
客席とステージの端から歓声が上がった。
1番初めに歌ったグループらしい。喜ぶ声が上がるとステージの前方まで走り出して歓声に応えている。泣いている子など1人もいない、明るい人達。しきりにガッツポーズをしている。
2位という結果に十分満足している、そんな気持ちが伝わって来る。
ボンヤリとそれを眺めながら拍手をしている私は、もう完全に望みが無くなったと思った。
このグループもミスなどしていなかったと、覚えている。
私達の様に、前半から飛ばし過ぎて、後半急にパフォーマンスが落ちたグループはもう無理だと思った。
夏妃・・・
彼女も諦めただろうとその横顔を見て、私は息を呑んだ。
目には涙を浮かべ、硬い表情をしていても、しっかりと審査員席を見つめている。
まるで、まだ自分たちのことをアピールしている様に、しっかりと視線を送っていた。
夏妃・・・もう結果は出てるんだよ・・・私達今回は・・・ね?夏妃・・・
私の視線など気が付かずに前を向いている彼女。
何も言えずに私は視線を落とした。
「それではいよいよ、第1位の発表です!」
会場内が暗くなり、ステージの上にスポットライトが走り回る。
眩しくて目を開けていられない。真っ暗な客席は何も見えずに、まるで黒い大きな波が私達に覆いかぶさって来るような怖さを感じさせる。
何も考えられなかった。自分たちの名前を呼んでください、そんな事さえ思う余裕が無い。
やだ・・・もう帰りたいよ・・・
このグループが3位って・・・やっぱり決勝でのパフォーマンスが素晴らしかったグループが順に選ばれるんじゃないの?・・・きっとそうだよ・・・
そう思うと身体から力が抜けていくようだった。
今までオーディションで落ち続けた記憶も蘇る。
あんな思いをしたくない、そう思って頑張ってきたけど、まだやり残したがあったってことだよね・・・
まだやり残したこと?やれたことってなんだろ?・・・
「2位を発表します!」
その声にハッとして、私はまた夏妃の手をギュッと握った。
自信ありげだった彼女も、今の表情は硬い。
もう、もう2位でいいから呼んで!ファータフィーオーレって呼んでよ!・・・
私は心の中で何度も必死に呟いた。
「第2位は・・・です!」
客席とステージの端から歓声が上がった。
1番初めに歌ったグループらしい。喜ぶ声が上がるとステージの前方まで走り出して歓声に応えている。泣いている子など1人もいない、明るい人達。しきりにガッツポーズをしている。
2位という結果に十分満足している、そんな気持ちが伝わって来る。
ボンヤリとそれを眺めながら拍手をしている私は、もう完全に望みが無くなったと思った。
このグループもミスなどしていなかったと、覚えている。
私達の様に、前半から飛ばし過ぎて、後半急にパフォーマンスが落ちたグループはもう無理だと思った。
夏妃・・・
彼女も諦めただろうとその横顔を見て、私は息を呑んだ。
目には涙を浮かべ、硬い表情をしていても、しっかりと審査員席を見つめている。
まるで、まだ自分たちのことをアピールしている様に、しっかりと視線を送っていた。
夏妃・・・もう結果は出てるんだよ・・・私達今回は・・・ね?夏妃・・・
私の視線など気が付かずに前を向いている彼女。
何も言えずに私は視線を落とした。
「それではいよいよ、第1位の発表です!」
会場内が暗くなり、ステージの上にスポットライトが走り回る。
眩しくて目を開けていられない。真っ暗な客席は何も見えずに、まるで黒い大きな波が私達に覆いかぶさって来るような怖さを感じさせる。
何も考えられなかった。自分たちの名前を呼んでください、そんな事さえ思う余裕が無い。
やだ・・・もう帰りたいよ・・・