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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第13章 地下アイドルの秘密 編 1-1
その後もマネージャーの指示は、まるでやって当たり前の仕事の様に告げられる。
夏妃は冷静な態度でそれを聞いていたけれど、私は心臓をドキドキさせていた。
手にも汗をかいている。話がすんなりと頭に入ってこない。
夏妃は平気なの?・・・凄く冷静なんだけど・・・
3年生にもなると違うのかな?・・・覚悟、とか・・・

マネージャーの指示で、夏妃を残して部屋を出た。
私はなんとなく、彼女がこんなことをするのは今回が初めてじゃない気がしていた。
ひょっとして、この前のコンテストでも夏妃は審査員の誰かと・・・
1人で帰りながらあれこれと想像してしまう。
決勝でパフォーマンスが落ちても優勝できたのは、夏妃が頑張ったからなの?・・・
まってまって・・・もしかして、他のメンバーも、誰かに抱かれてるの?・・・
そんな事を知らないで私、無邪気に喜んでた・・・
もう始まっていたんだ・・・

少し胸が苦しくなって、大きく深呼吸をした。
主催者でスポンサーでもある会社の部長と審査委員長が、夏妃と私を指名したって言ってた・・・
抱くために・・・直接指名して・・・
初めて会った人とセックスしているところをを想像すると、背中がゾクゾクとしてくる。思わず身震いしてしまう。
見返りは・・・見返りは・・・優勝してCDデビュー・・・

でも、この前みたいな失敗をしたら、と考えて心が重くなる。
いくらこんな手を使っても、それなりの実力が無かったら無駄になってしまう。
あくまでも僅差で競り合ってこそ、効果があるはずだった。
もっともっとレッスンしなきゃ・・・
そしてその努力を無駄にしない為にも、出来ることとして・・・

家に着くころには、マネージャーから話を聞かされた頃より随分落ち着いていた。
1週間後には、見返りを求めて初めて会う男の人に抱かれる。
それを想像しても、もうそんなにドキドキすることは無かった。
家の前に着くと車用の門の横にある、人が出入りする門の前で、センサーにスマホをかざす。ピピッと電子音が鳴ってロックが外れる音がした。中に入ると今度は自動でロックがかかる。そこから歩いて建物の入り口でまた同じことをする。
他にもいくつかある、大げさなセキュリティーに毎回うんざりだった。
無意味に天井が高い玄関と無駄に明るい照明にため息が出る。シューズクローゼットへ歩いて入り、スリッパに履き替えて玄関ホールへ戻る。
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