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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第13章 地下アイドルの秘密 編 1-1
「ホントだね。でも、先を越されちゃった感を感じちゃうよ、正直に言って」
そう言った夏妃と、私も同じ思いだった。
TVでよく見る人達と同じ場所で番組を作っている心瑠を見て、私も負けられ
ない、そんな気持ちが沸々と湧いてくる。
「ファータフィオーレさん、歌の準備をお願いします」
ADらしき人が呼びに来て、私達はすぐ隣に作られているセットらしき物の所
へ向かった。
緊張感が増してくる。でも、初めてライブをやった頃の脚が震えたり、逃げ出
したくなる様なことは感じなかった。
何度も経験してきている内に、少しずつでも成長しているんだな、そんな気が
して嬉しい。
それぞれの位置に着くと最後のリハーサルが始まった。
心瑠抜きで1コーラスを通しで行う。CDをそのまま流すので歌は歌わない。
踊りながら口パクで合わせることも上手くできるようになっているので、1回
でOKを貰えた。
「え~!ここるんはアイドルだったの?」
MCの驚いた声が聞こえた。もちろん知っているはずなのに、知らなかった流
れで歌に入るらしい。
「知らなかったんですか?明日デビュー曲が発売なんですよ。グループ名は
ファータフィオーレって言って全国のCDショップで・・・」
「そこまで!勝手に宣伝をしてはいけません!」
女子アナのお姉さんに止められて、心瑠が口を尖らせる。
「あはは。怒られた!あはは」
「もう!この人心瑠のことずっと睨んでるんだよ。おにいちゃん何とかして!」
「だから俺はお兄ちゃんじゃないって!」
MCの男の人は、否定しても満更でもない様子でニヤニヤしている。
「はい、さっさと歌って来てください。曲は・・・でファータフィオーレのみな
さんです、どうぞ」
「お兄ちゃん!紹介の仕方がひどいよぉ!」
女子アナの投げやりな紹介にスタジオが笑いに包まれる。
ここで一旦カメラが止められた。
女子アナと心瑠が笑いながら抱き合う。頑張ってね、とでも言われているのか、
心瑠は笑顔で何度も頷いている。
そして小走りで駆けてきて私達に加わった。
「心瑠ちゃん、一度通しで練習する?」
スタッフが声をかけた。
「大丈夫です。このまま始めてください」
心瑠の自信たっぷりの言葉に、私は夏妃と顔を見合わせてしまった。
2年下で妹の様にも思っていたのに、自信がつくとこんなに頼もしくなるもの
なのか。
スタジオに、おおっと太い声が響いた。
そう言った夏妃と、私も同じ思いだった。
TVでよく見る人達と同じ場所で番組を作っている心瑠を見て、私も負けられ
ない、そんな気持ちが沸々と湧いてくる。
「ファータフィオーレさん、歌の準備をお願いします」
ADらしき人が呼びに来て、私達はすぐ隣に作られているセットらしき物の所
へ向かった。
緊張感が増してくる。でも、初めてライブをやった頃の脚が震えたり、逃げ出
したくなる様なことは感じなかった。
何度も経験してきている内に、少しずつでも成長しているんだな、そんな気が
して嬉しい。
それぞれの位置に着くと最後のリハーサルが始まった。
心瑠抜きで1コーラスを通しで行う。CDをそのまま流すので歌は歌わない。
踊りながら口パクで合わせることも上手くできるようになっているので、1回
でOKを貰えた。
「え~!ここるんはアイドルだったの?」
MCの驚いた声が聞こえた。もちろん知っているはずなのに、知らなかった流
れで歌に入るらしい。
「知らなかったんですか?明日デビュー曲が発売なんですよ。グループ名は
ファータフィオーレって言って全国のCDショップで・・・」
「そこまで!勝手に宣伝をしてはいけません!」
女子アナのお姉さんに止められて、心瑠が口を尖らせる。
「あはは。怒られた!あはは」
「もう!この人心瑠のことずっと睨んでるんだよ。おにいちゃん何とかして!」
「だから俺はお兄ちゃんじゃないって!」
MCの男の人は、否定しても満更でもない様子でニヤニヤしている。
「はい、さっさと歌って来てください。曲は・・・でファータフィオーレのみな
さんです、どうぞ」
「お兄ちゃん!紹介の仕方がひどいよぉ!」
女子アナの投げやりな紹介にスタジオが笑いに包まれる。
ここで一旦カメラが止められた。
女子アナと心瑠が笑いながら抱き合う。頑張ってね、とでも言われているのか、
心瑠は笑顔で何度も頷いている。
そして小走りで駆けてきて私達に加わった。
「心瑠ちゃん、一度通しで練習する?」
スタッフが声をかけた。
「大丈夫です。このまま始めてください」
心瑠の自信たっぷりの言葉に、私は夏妃と顔を見合わせてしまった。
2年下で妹の様にも思っていたのに、自信がつくとこんなに頼もしくなるもの
なのか。
スタジオに、おおっと太い声が響いた。