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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第13章 地下アイドルの秘密 編 1-1
「えへへ、カッコ良かった?ねえっ、カッコ良かった?」
心瑠が悪戯っぽい目をして、スタッフに返事を催促する。
スタッフと一緒に、私は笑ってしまった。確実に場が和み私達も緊張が薄れて
いる。心瑠の行動にまた感心してしまう。

「はい、宜しくお願いします」
スタッフの掛け声で私達はポーズをとった。音楽が流れる。元気よく歌い、踊
って、目の前にはいないお客さんを盛り上げる様にアピールする。
アップになればウィンクをし、少しHな下からの撮影には、からかう様な視線
をしつつ、大げさにスカートを押えたりもした。
通常の振りとは違うパターンでも、私達は息の合ったダンスで踊ることが出来
た。1コーラスでは短くて物足りなかったけれど、満足のいく仕上がりだった

「はい、OKです」
スタッフの掛け声に拍車が起こる。私達は丁寧にお辞儀すると、声を揃えてお
礼の言葉を言った。良かったよ、と声をかけてくれるスタッフもいる。
「心瑠ちゃんはこのあと2本目の収録に入ります。その他のファータフィオー
レの皆さんはお疲れ様でした!」
しかし別のスタッフのこの言葉に、一気に私達の周りからは人がいなくなる。
心瑠と言葉を交わす暇もなく、私達は楽屋に引き上げなくてはならなかった。

楽屋へ戻るとお弁当を用意してくれると言う。それをお願いして着替えを済ま
せるとすぐに運ばれてきた。
「食べよう・・・」
夏妃の言葉に私達は力なく返事をして食べ始めた。
さっきまでの充実感はもう消えて、何故か疲れていた。
そう、本当に疲れていた。
誰も何もしゃべらない。
静かな楽屋でただ黙々と冷えたお弁当を食べ続けるだけだった。
「心瑠・・・凄いね・・・」
ポツリと舞風(まふ)が呟いても、誰も言葉を続けない。

私は自分の心の中を整理するのに精いっぱいだった。
メンバーの中で早くもTV番組のレギュラーを掴み、今見た限りでは問題なく
自分の役割をこなしていた。
そんな仲間を勿論嬉しく思うし、応援したい。
でも、どうしても、アノことと結びつけて考えてしまう。
プロデューサーなのか、もっと上の人なのか分からないけど・・・
心瑠・・・頑張ったんだろうな・・・
ファータフィオーレとしても、デビューと同時に深夜番組とはいえ、これから
曲を流してもらえるのも、それがあるからだよね・・・

「勘違いしない様にしようね・・・」
夏妃が言った。
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