この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第16章 ストーカー(僕の彼女)編 1-1
女の子の友達数人と歩いている瑠奈に、おはよう、と朝の挨拶が頻繁に
かけられる。やはり男子からも多く声をかけられていて、その都度笑顔
で応えている。相手によってその笑顔を使い分けているのが分かって、
興味深い。中でも1人の男子生徒との挨拶は見過ごせなかった。
その男が声をかける前から、瑠奈の方が先に存在に気が付いていたのが
僕にはよく分かった。何気なく歩いているようでも、声をかけてもらい
やすいような位置にさりげなく移動していた。
そして、おはよっ、と声をかけられた時の笑顔は今日一番のものだった。
瞳をキラキラさせ、白い歯を見せる。
お早うございます、と応えたところを見ると相手は上級生だろうか。
身長が高く、髪はサラサラ。色白の肌にメガネが良く似合っているイケ
メンだった。周りから部長、お早う、と声を掛けられていたので、どこ
かの部の部長をやっているのだろう。文科系かもしれない。
驚いたことに、それまで瑠奈と話しながら歩いていた女の子達がさりげ
なく2人から距離を取り、後ろ側に並んで歩きだした。まるで瑠奈とそ
の部長が、並んで歩きながら話が出来る空間を作っているようだ。
友達の女の子達はニヤニヤしながら、前を歩く2人を見つめている。
僕は少し嫉妬してしまう。

しかし良く考えれば、瑠奈はまだ僕のことを友達には話していないのだ
ろう。恥ずかしがり屋だから、そうに違いなかった。
だから友達も、こんなお節介なことをしてしまうのだ。優しいが故の余
計なことを。
まあ、これも瑠奈の青春時代のいい思い出にはなるだろうから、全部だ
めだと言う気は無かった。僕も大人になったものだと思う。

でも・・・
僕は瑠奈の隣を歩く部長と後ろを歩く友達の女の子達の顔をしっかりと
記憶した。会話から名前も覚えた。男が写真部の部長だとも分かった。
でも、お節介も程ほどにして置こうね・・・
僕は優しく声をかける。
君達にも、知られたら恥ずかしいことってあるでしょ?・・・
瑠奈は恥ずかしがり屋さんだから、僕が守ってあげないといけないんだ。
彼女の優しい笑顔を勘違いする男達がいてもおかしくはないから。
瑠奈の友達は僕の友達だから仲良くしようね・・・

聖杏学園の立派な正門が見えてきた。
僕と瑠奈の新しい日常の始まりだ。
さりげなく彼女の隣に並びながら、僕達は一緒に門を潜った。
/909ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ