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ビューティーサロン『マキ』
第13章 『院長』
「だ、ダメぇ、、。」

やっと、なんとか声が出た。

「ごめんね、まいさん。」
ゆきさんはあたしに向き直るとM字に開いていた脚を元に戻してくれた。

その間も、院長はゆきさん越しに頭をヒョイヒョイ出して、あたしを覗き見している。

「ん、うん、、 」
なんとか手を動かして胸を隠す。

「ダメですよ! 院長。」
不穏な動きを察知して、ゆきさんが、院長を押し退ける
「あたしの施術中に部屋に入って来てはいけません。」
ゆきさんにしては珍しく強い口調だった

「いや、だって、凄くキレイじゃないか。」
子どもみたいな院長の物言いが少し可笑しかった。

「ダメです! さぁ、速く出てって。」

それでもあたしを見ようとする院長を
ゆきさんはグイグイ押して部屋から追い出した。

その様子にあたしは少し笑ってしまった。
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