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教えてあげる~K中サッカー部の性合宿~
第3章 03
雪がミーティングルームに入ると、他の部員たちはすでに着席していた。

「ごめんなさい。もしかして、私が最後?」
「いいえ、鶴田先生がまだです。」
「さっき部屋に呼びにいったら、準備があるー、とか言ってましたよ。」
「そ、そう…。」

清水の言う“準備”とは、十中八九“性教育”の準備だろう、と雪は思った。
事前の打ち合わせでは、入所後すぐに合宿の目的を説明することになっていた。
意味深な笑みを浮かべる清水の視線から逃げるように、雪は入口を見つめた。
もうすぐ、鶴田が準備を終えてやってくる。
そうなれば、自分と部員たちの関係は大きく変わってしまう。
先生と生徒でありながらも、男と女の関係になるという事実に、雪の胸はいっぱいになる。
何も知らされていなかった1・2年生はどんな反応をするのだろうか。
女性の体を知らない、純真な瞳に自分はどのように映るのか。
そうでなくとも、出発前からの三村の熱い視線に、雪の心は昂っていた。

「遅くなった。全員そろってるな。」
「「はい!」」

鶴田の明るい声に、雪ははっと息をのむ。
部員たちの引き締まった返事に、背筋がピンと伸びる気がする。

「じゃあ、はじめよう。雪先生、前へ。」
「はい。」

生徒の前に立つと、自然と気持ちは前向きになる。
私にできることを精一杯やろう。
それが教科教育であれ、性教育であれ同じこと。
目の前にいる生徒に恥ずかしくない自分でありたい。
雪はそう、強く決意した。
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