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秘蜜〜蘭子の物語〜
第1章 秘蜜
「と、ところでどこに行こうか。お腹空いてる? 空いてるなら軽く何か食べよう。ご馳走するよ」

「ほんとですか? 嬉しい! ならユリはパスタがいいかなぁ。それでご飯を食べたあとは……」

蘭子は少し背伸びをしてトオルの耳元でこう囁いた。

「ホテルでいっぱい楽しみましょうね」







「本当にいいのかい? いきなりホテルなんて……」

軽い昼食を済ませた蘭子たちは、蘭子の宣言通りに安いラブホテルへと足を運んだ。

「いいんですよー。ユリが言ったことなんだから」

「こんな若い子がねぇ……部屋に入った途端に怖い男が待ち構えていたり……」

「そんなのないですよぉ。ほら、どの部屋にします?」

昼間だということもありホテルは空室が目立った。古くて安いラブホテルは辛気臭いムードがどの部屋からも漂っており、蘭子の望む犯されるというシチュエーションにはぴったりだ。
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