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変質者の手毬唄・珍田一耕助シリーズ
第10章 「第2の犠牲者」
勝江とお互いの性器を弄り合った後、珍田一は一人土蔵の前に立っていた
昼間、空を見る凛の顔が見えていたあの窓からは弱弱しく黄色い灯りが漏れている
凛の体温や肌の温もりが今でも身体に沁みついている
寒さに震える小動物のように、身体を震わせて泣いていた…あの小さな背中の感触が珍田一を支配し始めていた
泥を洗い流す為にもう一度風呂に入り夕食を済ませると、珍田一は女将を呼び止めた
「女将さん…後で少し伺いたいことがあるのですが、お時間を作っていただけないでしょうか?」
「あら、珍田一先生が私に?珍しいですわねぇ…では、後片付けが終わり次第、お部屋に伺いますわ」
「はい、宜しくお願い致します。」
午後の8時を少し回った頃…珍田一の部屋には、約束通り後片付けを終えた女将の姿があった
「珍田一先生、改まって何をお聞きになりたいんでしょう…?」
「聞きたい事の前に、女将さんにお願いがあるんです」
「お願い…?」
「はい…」
「私に出来る事なら伺いますが、先日の山岸さんの事件と何か関係でも…?」
「女将さん…僕に凛さんを…お嬢さんを頂けないでしょうか…」
「…え?」
「事件の事が済んだら、東京へ連れて行きたいのです」