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変質者の手毬唄・珍田一耕助シリーズ
第10章 「第2の犠牲者」

部屋に戻る途中で珍田一は、磯毛と久米家の女中の2人と鉢合わせになった


2人は仲睦まじく寄り添うようにして歩いていた



「あ…磯毛警部、今からお出かけですか?」


「珍田一さん、まだ起きとったんですか?」


「アハハ…ちょっと賑やかだったんで眠れなくて…」


「これは、申し訳ない…ワシも久しぶりだったもんで、つい…」



女中も恥ずかしそうに俯いていた



「いえいえ…警部、違うんです。晴海ちゃんが見当たらなくて、さっきまで村の捜索隊が来てたんですよ…」


「え…?ま、まだ見つからんのですか?」


「あ…警部、知ってたんですか?」


「いや…昼間、講演会の最中に晴海君を見失ったと辰雄君達が学校を探しとったんですわ…」


「なるほど…小学校でいなくなったんですね…。今回は白昼か…」



磯毛は女中を久米家まで送っていくと、表へ出て行った


部屋へ戻った珍田一は、少し仮眠をとることにした


晴海ちゃんが見つかれば、忙しくなる…今のうちに少しでも眠っておこう


珍田一は静かに目を閉じると、急な斜面を滑り落ちるように深い眠りに落ちていった…







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