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止められなかった…
第30章 流れる月日と共に…
開始時刻ギリギリで孝さんが会場へ入って来る。

席を探している様子の孝さんへ『孝さん!!こっちだよ!!』と声をかけた。

隣へ座る瞬間『サンキュー…』と呟く。

数分後、送別会が始まり、堅苦しい挨拶やら何やらが済んだ後、会場は賑やかになった。

向かいの席も、逆隣も違う部署の人達で、話し相手の居ない私は、静かに目の前に並んだ食事に手を付ける。

そんな様子を見ていた孝さんが、『峻と席代わろうか…』と声をかけてくる。

“いや…大丈夫だよ”


会話が途絶えた…


“………”

孝さんが何か言ったかと思い『孝さん?なぁに?』と聞き返すと

“…峻と…仲良くやれよ”

と、立ち上がり私の頭をポンポンとしてその場から立ち去って行く…


鼻の奥がツンと熱くなるのを感じた…




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