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第7章 7

「俺と愛し合うことと、智哉君のことは関係ない」
「あるわ。私がこのままあなたをもっと好きになれば……きっとあの人は気付いてしまう」

取り繕わず、全てを素直に語る。下手に隠したら彼に伝わらないと分かっていた。
それに紫遠もありのままをぶつけたかった。嘘も飾りもない、本当の気持ちを溢れさせる。

「もしそうなれば、絶対にあの子は私から取り上げられる。殴られても、離婚されても、そんなことは堪えられる。けど、あの子だけはっ……」

昂ぶった紫遠はそれ以上喋れなかった。
溢れた涙が頬を伝う。真っ赤に充血した瞳は真っ直ぐに遼平に向かっていた。

「じゃああなたはどうなる？　自分だけが諦めればいい、堪えればいいって、そういう風に生きる紫遠を見ていられないんだ」