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第9章 人目を避けて

「気を付けて来るのだよ、僕はその地下駐の出入り口付近で待
機して、理恵の車を見つけたら、合図するので、駐車してから
出て来なさい」

「そうするわ、待っていてね勇次さん、今車に乗ったところよ」

「理恵、淫らな事を考えずに、運転に集中するのだよ」

「も～、勇次さんたら・・・スタートしたから切るね」

　勇次は時計を見た、１２時４０分だった。それから１５分後

彼女の乗った赤いスポーツカーが、彼の視界に入り、車から降

りて、その車に手を振ると、彼女はその姿を見つけたのか、パ

ッシングで応えてきた。

地下から上がって来た彼女は、真っ白いブラウスに、黒のワ

イドパンツを履いており、おとなしい出で立ちであった。