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女医の診察日誌
第10章 看護師長の涙
 その時真由美は、胸の内で”大切な話を、何時彼に話そうか”

話せば、折角来てくれているのに、直ぐに帰ってしまうのでは

ないだろうか、”そうだわ、二人で食事するのは、今日が最後に

なるかもしれないので、その後にしよう” と、思っていた。

「勇次さん、しばらく休んでいてね、お昼の用意するから」

「何を作ってくれるの?」

「チャーハンと、中華スープよ」

「では、僕はチャーハンを作るのが得意なので、美味しいのを
作ってあげるよ」

「えっ、貴男は料理も作れるの?」

「そりゃ~やもめ暮らしだから、少しは作れないと、不便だよ」

「じゃあ、折角だからお願いするわ」

「滑稽だよね、素っ裸の男と女が台所で料理をしている姿って」
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