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女医の診察日誌
第1章 初診の患者
木々が芽を吹く5月のある日、太田勇次が初めて木下クリ
ニックの門をたたいたのである。
勇次は昨年末ごろから、陰嚢に痒みがあり、時々ではある
が睡眠中にもその痒みのために、度々目覚めることはあった
のだが、場所が場所だけに医者に行くのも躊躇っていたので
あるが、最近その症状が悪化したのか、頻繁に痒みが出るの
で仕方なく、意を決して、診療科目に皮膚科・泌尿器科と書
いてある看板を以前から目に留めていたので、ここで受診す
ることにした。