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第1章 初診の患者

　受付に初診である旨を告げると、　「当院は予約制なので

しばらくお待ちください」

　と予め、彼が予期していた言葉を告げられ30分ほど診察

室の前で待っていた。

　「お待たせ致しました、太田様どうぞ」と呼ばれ診察室に

足を踏み入れた。

　診察室の入り口で、「お世話になります」と会釈した相手

が看護師長の吉田真由美であった。

　室内に入り、椅子に座っている医師を見た時、勇次は

「あっ」と思わず小さな声を漏らしたのである。

　そこには、想像だにしなかった美しい若い女性が微笑みな

がら、