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女医の診察日誌
第11章 ビッグな贈り物
「そうではなくて、ただじっと抱かれているだけで、勇ちゃん
の身体から、優しさみたいな物が、じわっと滲み出して来てる
ような気がして、凄く気持ちが良くて、心が安らぐの」

「そうなの、では、何時までもベッドで抱いていてあげるよ」

 そのままベッドに入り、二人は、勇次の手枕で、抱き合って

いた。

 眼を閉じている彼女が、何をか考えているのかは、知る由も

ない勇次であったが、昨夜彼女から貰った、指輪が輝いている

右手は、相手を労わるような優しさで、肩口からお尻までの背

中を、ずっと撫で続け、自分もその手触りの良さに、酔いしれ

ていたのである。

 その姿勢で一時間ほどが過ぎ、彼女も眠るような気配が無い

ので、勇次は声を掛けた。
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