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女医の診察日誌
第12章 訃報の後に
 勇次の車は、二人が初めて外で出会った、ショッピングモー

ルの駐車場に着き、その中の、コーヒーショップへと腕を組み

ながら、入って行った。

“いらっしゃいませ、いつもご来店いただき、有難う御座います”

と、お水とお絞りを持って来た、ウェイトレスは、前回に来た

ことを、覚えていたのか、丁寧な口調であった。

「僕は、ブレンドのSで良いけど、君は何にする?」

「私も貴男と、同じもので良いわ」

“ブレンドのS、お二つですね、かしこまりました”と、下がっ

て行った。厨房に入った彼女は、”ねぇねぇあのお客さん、変よ、

前に来た時は、彼女を呼ぶのに、先生と云っていたのに、今は、

君、だって、女性からも、あなた、と呼んでいたわ、これって、

二人は、既に出来ちゃったって事なのかしら””きっとそうよ”

美男と美女である、二人の事を覚えていて噂をしていた。
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