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白薔薇の眠り姫 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第1章 白薔薇姫とワルツを
授業の終了ベルが鳴ると、縣は素早く教本やノートなどを纏め、帰り支度をする。
階段教室の後ろに座る友人が声をかける。
「なんだよ、帰るのか?」
「うん、ちょっと用事があってね」
別の友人も不思議そうに尋ねる。
「おい、クラブで一杯やらないのか?夏に軽井沢の乗馬クラブで知りあったお嬢様方も呼んであるのに…。美人揃いだぞ?」
縣は男が見ても惚れ惚れするような、笑顔を見せて手を振る。
「悪い、またな!…白薔薇の姫君にご挨拶に行くんだ。埋め合わせは今度するよ」
と、風のように去ってしまったのだ。
唖然とする友人達。
「…白薔薇の姫君?…なんだそりゃ…」
縣の隣に座っていた情報通の友人がにやりと笑う。
「…北白川伯爵令嬢さ。最近、縣が後見人に選ばれたらしい。父が先日、夜会で縣男爵から聞いてきた」
「北白川?…伯爵にお嬢様がいたのか」
首をひねる友人。
「噂ではたいそうお美しい姫君だとか…」
「なに⁈縣め!あいつ、今でもモテまくりなのに!これ以上美女にモテてどうするんだ!」
「美人だが7歳だ」
「へ?」
「北白川梨央嬢はまだ7歳になられたばかり…。…まあ、お遊び相手というところかな」
友人らはやっと溜飲を下げる。
「なあんだ。7歳か…」
「…しかし、あいつやけに嬉しそうだったな。…そんなに子供好きだったっけ?」
「…さあ…」
情報通の友人はしたり顔で呟く。
「…白薔薇の姫君は若紫かも知れないがね…秘すれば花か…さすがは縣だ」
階段教室の後ろに座る友人が声をかける。
「なんだよ、帰るのか?」
「うん、ちょっと用事があってね」
別の友人も不思議そうに尋ねる。
「おい、クラブで一杯やらないのか?夏に軽井沢の乗馬クラブで知りあったお嬢様方も呼んであるのに…。美人揃いだぞ?」
縣は男が見ても惚れ惚れするような、笑顔を見せて手を振る。
「悪い、またな!…白薔薇の姫君にご挨拶に行くんだ。埋め合わせは今度するよ」
と、風のように去ってしまったのだ。
唖然とする友人達。
「…白薔薇の姫君?…なんだそりゃ…」
縣の隣に座っていた情報通の友人がにやりと笑う。
「…北白川伯爵令嬢さ。最近、縣が後見人に選ばれたらしい。父が先日、夜会で縣男爵から聞いてきた」
「北白川?…伯爵にお嬢様がいたのか」
首をひねる友人。
「噂ではたいそうお美しい姫君だとか…」
「なに⁈縣め!あいつ、今でもモテまくりなのに!これ以上美女にモテてどうするんだ!」
「美人だが7歳だ」
「へ?」
「北白川梨央嬢はまだ7歳になられたばかり…。…まあ、お遊び相手というところかな」
友人らはやっと溜飲を下げる。
「なあんだ。7歳か…」
「…しかし、あいつやけに嬉しそうだったな。…そんなに子供好きだったっけ?」
「…さあ…」
情報通の友人はしたり顔で呟く。
「…白薔薇の姫君は若紫かも知れないがね…秘すれば花か…さすがは縣だ」