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Vesica Pisces
第5章 太陽は静寂を焼く
仕事終わりに3人でカフェに寄る。

クリスマスイブの未知の話はランチだけでは足りなくて、透の家でのクリスマスパーティーまで時間があった。

章吾から貰ったクリスマスプレゼントが真っ赤なブラジャーだった事や、クリスマスディナーが2時間待ちのラーメン屋だった事など未知は諦め顔で愚痴った。

和可菜は時々体を横にして笑いを堪えていた。

「やっぱ別れる方が二人の為、かなぁ?」

ぽつりと零した未知。

好きなのに別れるなんて選択はどこから生まれるのだろう。

それは正しい選択なのだろうか。

パーティーには各自一品を持参する事になっていて、未知はケーキ、和可菜はお酒を購入した。

「伽耶はやっぱチキン?」

伽耶はショーケースを眺めながら、これにすると指した。

「メリークリスマース!」

出迎えた万里からサンタの帽子やトナカイの角のカチューシャを受け取った。

紙コップと紙皿とお酒と数の合わないケーキ。

「未知、またケーキかよ」

嘉登が苦笑いしながらケーキを並べる。

モンブランやガトーショコラ、シュトーレンやブッシュドノエル、ラズベリームースや抹茶のケーキまで色とりどりに揃っている。

「ケーキで酒が飲めるかー!!」
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